109シネマズ名古屋で「ルパン三世」を観る。五ェ門原理主義者のボクにとっては納得がいかない。次元大介のシーンであそこまでカッコいいものがあるんなら、石川五ェ門にも欲しかった!

映画『ルパン三世』公式サイト

絶対に破られることがないという屈指のセキュリティーシステムが敷かれている超巨大要塞型金庫、ナヴァロンの箱舟。手にした者は世界を支配できると伝えられる秘宝クリムゾンハート・オブ・クレオパトラがそこに収蔵されているのを知ったルパン三世(小栗旬)は、天才怪盗として強奪不可能をうたったセキュリティーを突破してやろうと決意。銭形警部(浅野忠信)の追跡をかわしながら、仲間である次元大介(玉山鉄二)、石川五ェ門(綾野剛)と秘宝強奪計画を進めていく。

引用元:映画『ルパン三世』 – シネマトゥデイ

「ルパン三世」のキャラクターでボクが好きなのは石川五ェ門が好きなんです。ほかのキャラクターとは違って、コミカルな領域とは一線を画しているところがいい。かと言って、全くクールな感じではなく、必要に応じてコミカルな領域にも入ってくる、あの絶妙な立ち位置がいいんですよ。

そして、五ェ門がうまくストーリーに絡んでいるのはいい作品だとボクは思うようになりました。それを「五ェ門原理主義」って勝手に言ってますが。難しいんですよ。五ェ門をストーリーに絡めるのって。

ルパンと五ェ門の距離を、次元ほど近づけるわけにはいかない。あんまりコミカルな面を出しすぎてしまうと、五ェ門のキャラクターが崩れる。簡単なのはルパンと距離を置いて別行動をさせればいいんだけど、それじゃ五ェ門がいらなくなってしまいかねない。

五ェ門にはルパンと行動を共にする「理由」が必要です。追いかけている敵がたまたま一致していた、というパターンとか、一緒にいた方がなんらかのメリットがあるパターンとか、一緒にいざるを得ない状況になってしまったパターンとか。いつの間にかボクは、五ェ門がうまく描かれている作品はいいものだ、と思うようになりました。だってボクは五ェ門原理主義者だから。

で、この作品ですが、五ェ門の力を発揮したのがあれだけだったのは寂しい限り。そしてそのあと、あそこまで大きなアクションにしない方がよかったのではないかと思うのは、コミカルな動きに見えたから、五ェ門はあそこまでコミカルな方に振っちゃいけない!

あ、決して演じた綾野剛さんがダメだって言ってるんじゃないです。あくまでも、この作品の中では五ェ門の魅力が出きってないんです。でもね、難しいですよ、五ェ門の動かし方は。毎年やってるTVスペシャルだって、うまく動いている作品もあれば、そうでない作品もあるもの。

アクションシーンも、次元にあれだけの逆転劇があったんだから、五ェ門にもなあ…と思いました。それにしても、次元のあのシーンはカッコよかったなあ。あれはまさしく「ルパン三世」でした。

この作品、ちゃんとルパン三世の世界ではあるんだけど、五ェ門原理主義者のボクは「惜しいなあ」と思ったのです。